サー・ジェイムズ・ゴールウェイ

フルート、指揮

サー・ジェイムズ・ゴールウェイは、クラシック・レパートリーの比類なき演奏者として、また至高のエンターテイナーとして、国際的な定評を得ている。唯一無二のサウンド、優れた音楽性、まばゆいばかりのヴィルトゥオジティ、音楽のあらゆる境界を越えるカリスマ的な魅力を誇るゴールウェイは、今日最も敬愛され、最も引く手あまたの演奏家の一人と目されている。また音楽活動のかたわら、低所得の学生や障害を持つ若者に楽器を寄付する非営利団体「Flutewise」の代表として献身的に活動している。 ゴールウェイは1939年にベルファストで生まれ、幼少期にフルートを始める以前は、ティン・ホイッスルを吹いていた。奨学金を得てロンドンの王立音楽院に入学し、その後ギルドホール音楽演劇学校、パリ国立高等音楽院で学んだ。ゴールウェイはサドラーズ・ウェルズの歌劇場とコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラで演奏活動を開始し、BBC交響楽団のピッコロ奏者となった。その後、ロンドン交響楽団、続いてロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者に任命された。1969年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者に就任し、1975年にはソリストとしての活動を開始。アルバムの大ヒットや頻繁なテレビ出演を通じて、たちまちに有名人になった。以来、旺盛にツアーを行うようになった彼は、各地でリサイタルを開き、世界屈指のオーケストラと共演し、室内楽やポピュラー音楽のコンサートにも出演し、マスタークラスを開いてきた。1990年、歴史的な「ベルリンの壁」コンサートに出演。1998年、オスロのノーベル平和賞コンサートに唯一のクラシック音楽家として出演した。米国のテレビ番組に頻繁にゲスト出演しており、連邦議会議事堂の西側芝生からアメリカ全土に生中継されたPBSの特別番組「A Capitol Fourth」では、ワシントン・ナショナル交響楽団の客演ソリストとして演奏し、21世紀最初の独立記念日を祝った。またゴールウェイは、世界中で指揮者としても精力的に活動するようになり、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの首席客演指揮者を務めている。 ゴールウェイは、1978年に大英帝国勲章を授与され、2001年6月にはエリザベス2世女王陛下からナイトに叙任された。1997年には『ミュージカル・アメリカ』誌の「ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー」に選出され、彼の録音『モーツァルト:フルート協奏曲集』が『ビルボード』誌および『キャッシュ・ボックス』誌の年間最優秀録音賞とフランスのディスク大賞に輝いた。彼の録音の多くはゴールド・ディスク、プラチナ・ディスクに認定されている。 また2004年、グラミー賞の第8回サリュート・トゥ・クラシカル・ミュージックで同賞を主催するレコーディング・アカデミーから会長功労賞を受賞した。2005年には、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された名高いクラシック・ブリット・アワードが、現代最高のクラシック音楽家の一人であるゴールウェイのソロ・デビュー30周年を祝い、彼のクラシック音楽への傑出した貢献を称えた。 ゴールウェイは2004年にドイツ・グラモフォンと専属録音契約を結び、アルバム第1弾『Wings of Song』はリリース直後にクラシック・チャートで1位を獲得した。最新盤『My Magic Flute』は、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲とともに、選りすぐりのアリア、ソナタ、他の協奏曲の楽章が収録されている。