キム・ボムソリ

キム・ボムソリ

ヴァイオリン

深い情緒を背景としたボムソリの情熱的な音楽作りを駆動しているのはコミュニケーションへの強い衝動である。母国である韓国ではすでにスーパースターの地位を確立し、早くも最も呼び声高きソリストの一人となっている。息をのむような演奏技術で、ドラマチックな大曲から繊細さ溢れる叙情的な曲まで、あらゆるニュアンスを表現する。 キム・ボムソリは1989年、大邱(テグ)に生まれた。ボムソリという変わった名前は「春の声」という意味である。音楽好きの両親は、娘の生まれつきの音楽的才能を後押しした。4歳でピアノを習い、1年後にはヴァイオリンを始め、やがて両親や兄弟と一緒にアンサンブル演奏をするようになった。歌やバレエに親しんでいたが、7歳のときにチョン・キョンファの演奏を聴き、バイオリンに傾倒する。ソウル大学校でヤン=ウクに師事し、卒業後、奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で修士号とアーティスト・ディプロマを取得した。天性の才能と努力、魅力的な芸術性を兼ね備えた彼女は、国際コンクールでも見事な結果を残している。チャイコフスキー国際コンクール、シベリウス国際ヴァイオリンコンクール、ARD国際音楽コンクール、ハノーファー・ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクール、仙台国際音楽コンクールで入賞を果たした。2016年、ボムソリはヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位、批評家賞、さらに9つの特別賞を受賞している。最終選考会での演奏がテレビで放映され、感銘を受けたラファウ・ブレハッチが、ドイツ・グラモフォンから次にリリースを予定していた室内楽プロジェクト・アルバムに彼女を招き、ドイツ、イタリア、スペイン、カナダ、米国で共にリサイタルも行っている。 近年では、バイエルン放送交響楽団、モスクワ交響楽団、モントリオール交響楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、指揮者ではファビオ・ルイージ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、マリン・アルソップ、ハンヌ・リントゥ、サカリ・オラモとの共演を果たしている。2021年にはイエロー・レーベルと専属契約を締結。2021年にリリースされたソロデビュー盤『ヴァイオリン・オン・ステージ』は、オペラやバレエのために書かれた、あるいはそれに触発された音楽のオリジナル作品や編曲を紹介しており、ハイフェッツ、ミルシュタイン、コーガンといった、名人芸の編曲演奏で有名な伝説のヴァイオリニストに再び光を当てたい思い、またポーランドとその音楽、音楽家に深い絆を感じている彼女の思いが込められている。現在クムホ・アシアナ文化財団の支援により演奏しているのは、ジョアン・バプティスタ・グァダニーニの1774年製ヴァイオリンである。