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Benedict & Macfarren: Piano Concertos (Hyperion Romantic Piano Concerto 48)

Benedict & Macfarren: Piano Concertos (Hyperion Romantic Piano Concerto 48)

ハワード・シェリー, Tasmanian Symphony Orchestra

収録時間72分

モーツァルトとベートーヴェンの時代、器楽奏者は主に自作をソロ協奏曲で演奏していました。これらの作品の演奏は、演奏者の才能と表現力に深く結びついていました。19世紀になると、このバランスはますます演奏者に有利に傾いていきました。作曲家が演奏者を兼ねることは少なくなり、演奏家は技巧を存分に発揮できる協奏曲を選ぶことが多くなりました。しかし、この傾向はロベルト・シューマンをはじめとする批評家から非難を浴びました。

技巧とショーマンシップの重要性は、19世紀のピアノ協奏曲において特に顕著になりました。ピアノ演奏の技術的進歩は、ピアノの輝きと聴衆にとってのエンターテイメント性の両方を高めました。聴衆は卓越したピアニストの演奏を聴くだけでなく、ピアノの最新の技術的・音響的可能性を探求しようとしたため、コンサートホールは満員となりました。ピアノ協奏曲は、ソリストとますます力強くなるオーケストラとの競演へと発展していきました。

ヴィクトリア朝時代のロンドンはピアノ協奏曲の中心地であり、特にヨーロッパ大陸出身の名手たちが高く評価されていました。ドイツ出身のジュリアス・ベネディクトは、イタリアでしばらく過ごした後、ロンドンに定住しました。ヘンデルと同様にイギリスに移住し、ピアニスト、指揮者、作曲家として高い評価を得ました。彼の作品はイタリア・オペラの影響とイギリスの趣向を融合させており、イギリス・オペラ『キラーニーの百合』は特に成功を収め、音楽界に多大な貢献をしました。

ベネディクトのピアノ協奏曲ハ短調作品45は、古典的なモデルを踏襲しながらも、意外性のあるカデンツァや転調といったベートーヴェンの革新的な要素も取り入れています。サスペンスに満ちた主題と予期せぬ旋律の展開が聴衆を魅了し、心を掴みます。第1楽章は平行調の劇的な導入が際立っていますが、アンダンテ・パストラーレとフィナーレはロマンチックな音色と様々な音楽的驚きをもたらします。

ヴィクトリア朝時代に尊敬を集めたピアノ教師であり作曲家であったウォルター・マクファーレンは、キャッチーでメロディアスなピアノ曲を数多く作曲しました。ピアノと管弦楽のための「コンサート・ピース」は、ダークなメロディーとメンデルスゾーンを彷彿とさせる輝かしいテーマが融合しています。特に注目すべきは、意外性のある転調と力強いエンディングです。

19世紀のピアノ協奏曲は、当時の芸術的多様性と革新的精神を鮮やかに示しており、今日でも高い評価を得ています。