ロッシーニ : 歌劇《チェネレントラ》

もしもシンデレラの魅惑的な童話を煌めく音楽で紡ぐために生まれた作曲家がいたとすれば、それはロッシーニに他ならないでしょう。彼の描く虐げられたヒロイン、アンジェリーナ (メゾソプラノ、エリーナ・ガランチャ) は、意地悪な義姉たちだけでなく、大げさで滑稽な父親ドン・マニフィコ (バリトン、アレッサンドロ・コルベッリ) にも対処しなければなりません。そしてこのバージョンでは、王子 (テノール、ローレンス・ブラウンリー) と従者 (バリトン、シモーネ・アルベルギーニ) が身分をすり替えるため、愉快な混乱が絶えません。チェーザレ・リエヴィの楽しい絵本のような演出とマウリツィオ・ベニーニの熟練の指揮により、スフレの如く全てにおいて音楽的に素晴らしく、軽快で味わい深いものとなっています。