エーリヒ・ヴォルフガンク・コルンゴルト

エーリヒ・ヴォルフガンク・コルンゴルト

作曲

1897 — 1957
コルンゴルトは1897年、高名な音楽評論家の息子としてブルノに生まれた。幼いころから作曲の才能を示し、フックスやツェムリンスキーに師事。11歳の時には、バレエ音楽《雪だるま》をウィーン宮廷歌劇場で初演した。6年後には、2つの歌劇、《ポリクラテスの指輪》と《ヴィオランタ》が、ミュンヘンで上演されている。コルンゴルトの最大の成功作は、歌劇《死の都》(1920年) だろう。R・シュトラウスやプッチーニの影響のもと、後期ロマン派の芳醇な響きを示し、今日でも好んで取り上げられる。 コルンゴルトは、同作品(1920年)でオペラ作曲家としての地位を確立したが、管弦楽曲や歌曲も多く生み出し、作曲家としての絶頂期を迎える。 マックス・ラインハルトと知り合ったことをきっかけに、映画音楽の作曲を始めたが、ナチス・ドイツのオーストリア併合の影響で、アメリカに亡命。ハリウッドで活躍を始める。このジャンルに後期ロマン派の作風を取り込み、美しい旋律と優れた管弦楽法で、映画界に革命をもたらした。 第2次世界大戦後、ヨーロッパに戻ることを夢見たが、当時映画音楽への評価は低く、シリアスな作曲家として第一線に返り咲くことはなかった。コルンゴルトは、失意の中、1957年にハリウッドで死去する。