アンドレア・マルコン

アンドレア・マルコン

指揮

アンドレーア・マルコンは、指揮者、オルガン奏者、チェンバロ奏者であり、最も著名な古楽奏者・古楽学者の一人である。1963年にトレヴィーゾで生まれた彼は、バーゼル・スコラ・カントルムでオルガンとチェンバロをジャン=クロード・ツェーンダーに、そして指揮をハンス=マルティン・リンデに師事し、古楽の学位を取得した。さらに、ルイジ・フェルディナンド・タリアヴィー、ハンス・ファン・ニューコープ、ジェスパー・クリステンセン、ハラルド・フォーゲル、トン・コープマンからも教えを受け、影響を受けた。マルコンは、インスブルックのオルガン・コンクールで第1位を、ボローニャのコンクールではチェンバロ奏者として第1位を獲得し、1983年にトレヴィーゾを拠点とする古楽アンサンブルであるソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカのチェンバロ奏者・兼・オルガン奏者になった。 マルコンがイタリア屈指の楽器奏者たちと後の1997年に創設したヴェニス・バロック・オーケストラは、世界でも有数のバロック・アンサンブルの一つになった。バロック時代の傑作の“発掘”に情熱を注いだ彼は、フランチェスコ・カヴァッリのオペラ《ロリオーネ》とヘンデルの《ペルシャ王、シロエ》を現代に蘇らせ、全曲上演を実現させた。ヴェニス・バロック・オーケストラは、2002年のロンドンでのBBCプロムス・デビューに先立ち、2001年にリンカーン・センターでニューヨーク・デビューを果たした。 加えて、パリ、ハンブルク、ボストン、アムステルダム、ロンドン、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサート・ホール、カーネギー・ホール、フランクフルト歌劇場、さらにルツェルン、チューリヒ、サンパウロ、イスタンブールの音楽祭でも公演を行った。マルコン自身も、ミラノ、ドレスデン、ソウルでオルガン・リサイタルを開いている。 同オーケストラとマルコンは、アルヒーフ・プロダクションから初アルバム『救われたアンドロメダ』をリリースしており、このオペラを2004年の第1回ヴェネチア音楽祭で生演奏した。これまでツアーおよびレコーディングで、ヴァイオリニストのジュリアーノ・カルミニョーラ、ピアノ・デュオのラベック姉妹、ヴァイオリニストのヴィクトリア・ムローヴァ、ソプラノ歌手のジモーネ・ケルメス、メゾソプラノ歌手のマグダレナ・コジェナーなど、多数のソリストと共演している。 マルコンは、国際オルガン音楽祭チッタ・ディ・トレヴィ―ゾを設立し主宰しており、トレヴィ―ゾの街の歴史的なオルガンの修復においても重要な役割を果たしている。2013–2014年シーズンにグラナダ市管弦楽団の芸術監督に任命され、現在もラ・チェトラ・バロックオーケストラ・バーゼルの音楽監督の任にある。バーゼル・スコラ・カントルムの教授としてチェンバロ、オルガン、演奏を指導するかたわら、アムステルダム音楽院の客員教授も務めている。