ワディム・レーピン

ワディム・レーピン

ヴァイオリン

ワディム・レーピンは、1971年にシベリアのノヴォシビルスクで生まれた。5歳でヴァイオリンを弾き始め、わずか半年後に初めて公の場で演奏した。故郷でザハール・ブロンに師事し、7歳でオーケストラと初共演。11歳の時にサンクトペテルブルクでリサイタル・デビューを果たした。 14歳の時、東京、ミュンヘン、ベルリン、ヘルシンキで初の演奏を行い、その1年後にニューヨークのカーネギー・ホールにデビューした。1989年、世界最高峰かつ最難関のヴァイオリン・コンクールとして知られるブリュッセルのエリーザベト王妃国際音楽コンクールで、史上最年少の優勝者となり、国際的な活動を開始した。 以来、世界屈指の指揮者たちの下、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団、ボルティモア交響楽団、シンシナティ交響楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団などの一流オーケストラと共演している。またハリウッド・ボウルや、タングルウッド、ラヴィニア、ラインガウ、ヴェルビエ、BBCプロムスなどの音楽祭から招かれ出演を重ねている。 パリのルーヴル美術館からカルト・ブランシュとして企画を任された演奏会では、ジプシー・ヴァイオリン奏者ロビー・ラカトシュらと共演。室内楽では、マルタ・アルゲリッチ、ユーリ・バシュメット、エフゲニー・キーシン、ニコライ・ルガンスキー、ミッシャ・マイスキー、ミハイル・プレトニョフらと共演している。 2014年、レーピンはノヴォシビルスクの新たなコンサート・ホールでトランス=シベリア芸術祭を設立し、芸術監督に就任した。これまで同芸術祭では、レーピンに献呈されたヴァイオリン協奏曲 (ベンジャミン・ユスポフの《Voices of Violin》、レーラ・アウエルバッハの《De Profundis》、ソフィヤ・グバイドゥーリナの《Dialogue: You and I》) の世界初演が行われてきた。 レーピンは、エコー賞の最優秀器楽奏者賞、ディアパゾン・ドール賞、セシリア賞 、エディソン賞など、数々の賞を授与されている。また音楽への尽力を称えられ、フランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク賞から最高栄誉である名誉賞を贈られ、フランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを受章した。北京中央音楽学院と上海音楽学院の名誉教授でもある。使用楽器は、1733年製のストラディヴァリウス 「Rode」。