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Victoria: Missa Dum complerentur & Other Sacred Music

Victoria: Missa Dum complerentur & Other Sacred Music

Westminster Cathedral Choir, ジェームズ・オドンネル

収録時間70分

16世紀、トマス・ルイス・デ・ビクトリアはスペインで最も傑出した作曲家であり、いわゆる「ポリフォニー音楽の黄金時代」を象徴する人物とみなされていました。1548年、アビラに生まれ、大聖堂の聖歌隊員として音楽教育を受けました。ローマのコレギウム・ゲルマニクムで学んだ後、サンタ・マリア・ディ・モンセラートやサンタポリナーレといった重要な教会で様々な音楽的役職を歴任しました。1587年、ビクトリアはイタリアから帰国し、カルメル会修道院で皇后マリアの司祭に任命されました。

ビクトリアの作品はパレストリーナやラッススといった同時代の作曲家に比べると数は少ないものの、並外れた質とインスピレーションに溢れていました。彼の音楽様式は、スペインの伝統からの影響と、ローマでの長期滞在で得た経験が融合したもので、おそらくそこで彼はパレストリーナと出会っていたと考えられます。ヴィクトリアの作品は、静謐な旋律、洗練された対位法、そして情熱的で色彩豊かなハーモニーを特徴としています。

ヴィクトリアは、聖霊降臨祭の主日のための力強いモテットとして「Veni Sancte Spiritus(聖なる御霊に)」という連作を作曲しました。この二部合唱のための作品は、荘厳な模倣とホモフォニックなパッセージが交互に現れ、印象的な8部構成のセクションへと昇華します。

キリスト教会が採用した聖霊降臨祭は、聖霊降臨を記念するものです。ペンテコステ派の典礼の一部である「Dum complerentur(補完する者)」は、この出来事を歌っています。ヴィクトリアがこのテキストを基に作曲した6部構成のパロディミサは、彼のモテットのモチーフを用いており、その豊かなハーモニーと多様性で人々を魅了します。

ヴィクトリアが作曲した復活祭の賛美歌の中には、「Vexilla Regis(聖なる御霊に)」があり、十字架上でのキリストの勝利の神秘を探求しています。この作品の特徴は、ポリフォニックな部分におけるカントゥス・フィルムスの使用です。

さらに、ヴィクトリアは「Veni Creator Spiritus(創造主の御霊よ)」や「Pange lingua gloriosi(栄光の輪よ)」といった、典礼暦の様々な賛美歌の曲を作曲しました。彼の才能は、特に歴史的テキストの巧みな音楽的解釈において顕著です。