アリス=紗良・オットが奏でるラヴェルのピアノ協奏曲

注目の俊英指揮者アレクサンドル・ブロックがロンドン交響楽団に客演するコンサートの模様をお届けします。幕開けを飾るのは、ドビュッシーが1894年に発表した《牧神の午後への前奏曲》。斬新な和声による官能的な響きを追求し、現代音楽への扉を開いた傑作です。続くラヴェルのピアノ協奏曲では、同楽団の常連ソリストでこの曲を得意とする人気ピアニスト、アリス=紗良・オットが登場します。後半では、戦後ポーランドにおける政治的抑圧の影も感じさせる、ルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲、そしてラヴェルがヨーロッパ秩序の崩壊を象徴的に表現した《ラ・ヴァルス》をお楽しみください。新しい年の始まりを飾るにふさわしい、聴き応えたっぷりのプログラムといえるでしょう。