ヴィキングル・オラフソン

ヴィキングル・オラフソン

ピアノ

ピアニストのヴィキングル・オラフソンは、その卓越した独創性と力強い音楽的信念により、わずか数年で音楽界を席巻し、現在最も注目されるアーティストの一人である。アイスランドで育ち、エルラ・ステファンズドッティルとマーテー・ペーテルに師事、ジュリアード音楽院でジェローム・ローウェンタールとロバート・マクドナルドに学び、学士号と修士号を取得した。 2009年に自身のレコードレーベル Dirrindí (ディリンディ) を設立し、3枚のアルバムをリリース。3枚目のアルバム『冬の旅』は、ベースのクリスティン・ジグムンドソンとの2枚組CD/DVDで、2012年アイスランド音楽賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得した。また同年、自身が創設し、現在も芸術監督を務めるレイキャビク真夏の音楽祭では、ミュージカル・イベント・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した。2016年から2019年にスウェーデン、ヴィンテルフェストの芸術監督を務めたほか、ベルリンのコンツェルトハウス、ブリュッセルのフラジェー、ロンドンのサウスバンク・センターなど、世界有数のコンサートホールでアーティスト・イン・レジデンスを務めている。これまでに、エドワード・ガードナー指揮ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団 (いずれもジョン・アダムス指揮) 、ハンナ・チャン指揮サンフランシスコ交響楽団、セミヨン・ビシュコフ指揮ニューヨーク・フィルハーモニック、アンドルー・マンゼ指揮カメラータ・ザルツブルグ、グスタボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団と共演してきた。 オラフソンがドイツ・グラモフォンの専属録音アーティストとしてリリースした『フィリップ・グラス・ピアノ作品集』(2017年)、『ヨハン・セバスチャン・バッハ』(2018年)、『ドビュッシー・ラモー』 (2020年) の3枚のアルバムは忘れられない衝撃を与えた。5つのピアノ協奏曲を初演した彼は、フィリップ・グラス、マーク・シンプソン、ダニエール・ビャルナソンなどの作曲家と共演し、ローマン・シグネール、リルヴァン、ヤン・マルカなど、多様な分野の一流アーティストとコラボレーションを重ねている。 ステージの上でも外でも天性の魅惑的なコミュニケーション能力を持つオラフソンは、数々のオリジナルプロジェクトも推進している。2020年だけでも、アイスランドのラジオで8部構成のシリーズを放送し、自身のゴールデンタイムのテレビシリーズ『Music Bites』を発表。BBC Radio 3でも自身の3部構成のシリーズ『Transcribe, Transform』を制作している。また、BBC Radio 4の主要な芸術番組『Front Row』のアーティスト・イン・レジデンスとして、レイキャビックのハルパ・コンサートホールから毎週世界各国数百万人のリスナーに向けてライブ演奏を放送した。 オラフソンはこれまで2年連続でのオーパス・クラシック・ソロ・レコーディング・インストゥルメンタル (ピアノ) 受賞、2019年BBCミュージック・マガジン賞アルバム・オブ・ザ・イヤー、2019年グラモフォン・アーティスト・オブ・ザ・イヤーなどに輝いている。またアイスランド出身の、情熱的な音楽性、爆発的名人芸、知的好奇心を持ち合わせた稀有なピアニストとして、アイスランド音楽賞のミュージシャン・オブ・ザ・イヤー4賞のほか、The Icelandic Optimism Prize など、母国の主要賞を総なめにしている。